映画『遠い山なみの光』は、カズオ・イシグロさんの原作をもとに、戦後の昭和長崎を舞台にした物語が描かれています。
映画化にあたり、長崎の実在ロケ地やセットを活用し、当時の雰囲気や生活感をリアルに再現しました。
そこで本記事では、
映画『遠い山なみの光』ロケ地がステキ!昭和の長崎の風景と歴史は?
と題して、映画ロケ地を手がかりに、昭和長崎の風景や歴史的背景、そして映画が映し出す時代の空気について詳しく解説します。

最後までごゆっくりお読みください!
映画『遠い山なみの光』昭和の長崎のロケ地と街並み
映画『遠い山なみの光』に登場する長崎のロケ地は、昭和の街並みや人々の暮らしを鮮やかに映し出しています。
ここでは、映画で印象的に描かれたスポットや街の特徴についてご紹介します。
映画に登場する長崎ロケ地
本作では、稲佐山からのパノラマ、市電が交差する操車場、浜屋デパートの食堂、平和公園の“白い巨像”など、実在する長崎の名所が数多く登場します。
稲佐山ロープウェイから眺める長崎港や坂道の風景は、昭和の記憶とともに物語の重要な舞台となっています。
市電が走る路面や交差点、川沿いの橋、密集した住宅地など、坂の町・長崎ならではの立体的な街並みが映画の中でリアルに再現されています。
遠い山なみの光 #再読
— ソラリン (@sorarin1000) April 21, 2025
戦後復興期の長崎が舞台。語り手の記憶が曖昧なうえ、説明に余白の部分が多く読者が想像力で筋を補う手法に最初に読んだとき面食らったけれど、長崎を訪れ土地勘を得、戦後すぐの状況を知り改めて読むと物語が立体的となり余白部分が埋まった感あり。
長崎は作者の故郷。 pic.twitter.com/5dZ7LzkSVa
また、浜屋デパート付近の賑わいは、当時の商業の中心地としての活気を伝えています。
昭和の長崎では、デパートや市場、喫茶店などが人々の交流の場となり、映画でもその雰囲気が丁寧に描かれています。
昭和の長崎の暮らしと風景
戦後の昭和長崎は、復興と成長の真っただ中にありました。
映画に登場する街並みには、瓦屋根の家々や木造の長屋、狭い路地や石段など、当時の生活感が色濃く残っています。
坂道に沿って建てられた住宅や、川沿いに連なる橋は、長崎の地形と人々の暮らしの工夫を象徴しています。
また、映画では、洋裁店やキャバレー、銭湯など、昭和の文化や商業の息吹も描かれています。

昭和の長崎に息づく人々の暮らしが、細部まで丁寧に再現されていて心に残ります。
人々が集う商店街や、子どもたちが遊ぶ空き地、夕暮れ時の港の風景など、昭和長崎の温かな日常が映像を通して蘇ります。
昭和長崎の歴史的背景と映画『遠い山なみの光』
映画の舞台となった昭和長崎は、どのような歴史的背景を持っていたのでしょうか。
ここでは、戦後の復興や社会の変化、文化の特徴について解説します。
戦後復興と長崎の変化
長崎は1945年の原爆投下によって甚大な被害を受けましたが、戦後は急速な復興が進められました。
映画に登場する平和公園や“白い巨像”は、戦後の記憶と復興の象徴として、長崎市民の心に深く刻まれています。
昭和20年代から30年代にかけて、住宅やインフラの再建が進み、街には活気が戻りました。
『遠い山なみの光』って撮影誰だ?
— che bunbun🐝 3/15(土) GUY MADDIN特集パンフ寄稿 (@routemopsy) April 10, 2025
ちょい成瀬『乱れ雲』っぽさがあるというか、昭和カラーの質感が良い。
期待高まる。 pic.twitter.com/OBkp3rGMMr
また、長崎は古くから国際貿易の窓口として栄えた歴史があり、戦後も外国文化や新しい価値観が早くから流入しました。
映画の中で描かれる洋裁店やキャバレー、異国情緒あふれる建物は、長崎独自の多文化的な背景を反映しています。
昭和の家族と社会
昭和の長崎では、家族や地域社会のつながりが強く、隣近所で助け合う暮らしが当たり前でした。
映画でも、主人公・悦子の家族や近隣住民との交流が丁寧に描かれています。
戦後の混乱を経て、新しい生活様式や価値観が生まれ、女性の社会進出や子どもの教育、家族のあり方にも変化が訪れました。

かつての暮らしや人とのつながりに、懐かしさを感じる方も多いのではないでしょうか。
また、昭和の時代は高度経済成長期に向かう過渡期でもあり、映画の中には新旧の価値観が交錯する様子が織り込まれています。
商店街の賑わいや、子どもたちの遊び場、家族団らんの風景は、昭和長崎の温かさと時代の移り変わりを象徴しています。
映画『遠い山なみの光』で描かれる昭和の長崎の魅力
映画『遠い山なみの光』は、ロケ地やセットを通じて昭和長崎の魅力を余すところなく伝えています。
ここでは、映像表現や美術スタッフの工夫、現代に伝わる長崎の魅力についてご紹介します。
ロケ地と映像美の工夫
映画では、実際の長崎市内のロケ地に加え、千葉県印旛沼周辺に昭和の長崎を再現したセットが組まれました。
美術スタッフは、当時の写真や資料をもとに、瓦屋根や木造家屋、昭和の看板や小物まで細部にこだわって街並みを再現しています。
坂道や路地の配置、電線や石段の雰囲気など、長崎らしさを徹底的に追求したセットは、観客に“まるで昭和の長崎にタイムスリップしたような感覚”を与えます。
第78回カンヌ国際映画祭
— 映画『遠い山なみの光』 (@apaleview2025) April 10, 2025
「ある視点」部門正式出品決定🎊
映画『#遠い山なみの光』
長崎とイギリスを舞台に、思い出に秘められた<嘘>を紐解いていく――
出演:#広瀬すず #二階堂ふみ #吉田羊
#松下洸平 #三浦友和
監督:#石川慶
原作:#カズオ・イシグロ
𝟫.𝟧 𝐹𝑟𝑖 全国公開🎥 pic.twitter.com/SNGEl8o3zy
また、稲佐山や港の風景、平和公園の静けさなど、長崎の自然や歴史的スポットも映像美として活かされています。
夕暮れ時の光や雨上がりの路地など、時代の空気感を映像で表現する工夫が随所に見られます。
現代に伝わる長崎の魅力
映画を通じて描かれる昭和長崎の風景や人々の暮らしは、現代にも通じる普遍的な魅力を持っています。
坂道や港町の景観、異国情緒あふれる建物、地域の温かなつながりなど、長崎ならではの個性は今も多くの人を惹きつけています。
観光地としての長崎も、グラバー園や大浦天主堂、出島、眼鏡橋など、歴史と文化が息づくスポットが数多く残っています。

長崎は、昔も今も変わらぬ魅力で人々を惹きつけてやみませんね。
映画のロケ地巡りを通じて、昭和長崎の面影や歴史を体感し、現代の長崎の魅力を再発見することができるでしょう。
まとめ
映画『遠い山なみの光』のロケ地は、昭和長崎の風景や歴史的背景をリアルに映し出しています。
戦後復興の息吹や人々の暮らし、時代の空気感を感じながら、映画とともに長崎の魅力を味わってみてください。
ロケ地巡りを通じて、昭和から現代へと続く長崎の物語に触れる旅をお楽しみいただけます。

昔の長崎の人々の暮らしに思いを馳せながら、映画の風景をたどる旅を楽しんでください!
*映画「遠い山なみの光」の千葉印旛沼でのロケ地についてはこちらの記事をご覧ください。
